ドイツにはチップ習慣があるかという質問をよくされますが、答えはヤー(Ja)です。

ヨーロッパの中には基本的にはチップを渡さない国がある中、ドイツではチップを渡すことが普通、または常識だといえます。

ここで、ドイツのチップ事情を理解して、スマートにチップを払いましょう。

レストランの支払いは現金が基本

カード支払いが普及していますが、多くのレストランではまだ現金支払いが基本です。

支払いをしたいと伝えると、ウェイターがウェイター用の黒い大きい財布Kellnerbörse(ケルナーボーゼ)を持ってきます。そこでテーブルにいるみんなの前で、現金で支払います。

レストランのチップは切り上げて支払う

支払いは、ウェイターが現金を受け取って、その場で財布の中からお釣りを返します。

だから面倒なコインのお釣りが出ないように、支払額に約10パーセントを足して、切り上げてチップを足して支払います。

例えば、31.50ユーロですと言われたら、50ユーロを渡して「35ユーロで」と伝えて、15ユーロのお釣りをもらいます。

この際、セント単位で伝える人は見たことがありません。例えば、32ユーロに10%を足すと35.20ユーロなのでじゃあ切り上げて「35.50ユーロ」といいたいところですが、その時は36ユーロ又は、35ユーロにした方がいいと思います。

テーブルにいる他の人にお金に細かい人と思われてしまうことでしょう。

支払い時の「ありがとう」は「お釣りはいらないよ」

お釣りをもらう前に「ありがとう」というと「お釣りはいらないよ」という意味です。

お釣りはいらはいよは「Stimmt so(シュティムトゾー)」((金額は)それで合ってるよ)ですが、これには「お釣りはとっておいていいよ」というような意味合いがあり、ウェイターはもちろん「ありがとう」と返事します。

しかし、チップの金額によっては「そんなはした金とっておいていいって言われてもねぇ・・・」と思われるようなものもありますよね。この時に「お釣りはとっておいて」ではなくて「ありがとう(ダンケ)」といえば、チップというよりは「(少額ですが)気持ちです」という感じがでて、スマートです。

もちろんウェイターにも常識もありますから、3ユーロを払おうと思って10ユーロを間違って「ありがとう」と言いながら渡してしまっても「え、本当にいいの?」と聞いてき来ると思うので、そこで間違いを正すことができます。しかしこれが5ユーロの支払いに対する10ユーロであれば、大きな笑顔でありがとうと言ってお釣りは返ってこないでしょう。

ドイツ人もチップをいくら払うべきか知らない

アメリカにいた時は、レストランなら20%くらいは渡さないとという空気を感じましたが、ドイツでは地域によってもまちまちで、支払い前にチップをいくら渡すかを話すことがあります。

ドイツ国内のチップ事情のあれこれ

私の住んでいるケルンは、ドイツの中でもおおざっぱや気さくなことで知られているため、細かいことはあまり気にしないようなところです。だからチップのちょっと多い少ないは気にしない、割り勘もそんなに細かく分けません。

それが、ドイツでも「ケチ」といわれる地域もあります。そういうところで割り勘すると「私がこれをちょっと多く食べたから、これは私がもっと払うよ」(でも奢ってはくれない)というやり取りが発生したりし、ケルンの暮らしに慣れている私にとってはビックりしてしまったります。

チップの額も人それぞれ

ドイツ人は地域だけではなく、もちろん個人それぞれ違います。

サービス業で働いている人達は、自分もチップをもらっている身なので、チップも多く渡しています。そういうのを見ると、お金は天下のまわりものなのだなと感じます。ウェイターやバーテンダーと一緒に行動する時は、冷ややかな目で見られないように、自分もチップを多めに渡します。

私の部署の学生インターンは、一緒にランチに行くとチップを絶対に払いません。学生だからお金がないという事情があるみたいです。よくいく9ユーロのランチメニューがあるレストランに同僚を誘った時に、「10ユーロでドリンク付きなんだよ」というと、インターンは横から「9ユーロ、スチューデントプライス!」いっていました。普通ならチップを入れて10ユーロにするところですが、あえてチップを払わないことが学割なのかもしれません。