カリーブルスト(Currywurst)は、食では定評のないドイツのソウルフードです。

 

日本ではドイツの食べ物といえばソーセージを思い浮かべますが、ヨーロッパのドイツ周辺国ではドイツの食べ物といえば、カリーブルスト(カリーヴルスト)を思い浮かべる人が多いようです。

 

今回は、日本ではあまり知られていない、ドイツのカリーブルストの魅力をお伝えします。

 

カリーブルストとは

カリーブルストはぶつ切りにした皮の薄いグリルソーセージ(ブラートヴルスト甘めのカレー風味のケチャップソースをかけたもので、ケバブと並んで(パンに挟んだケバブの発祥地はトルコではなくドイツ)ドイツの代表的なストリートフードの一つです。

日本のたこ焼きのように、熱々のまま蓋のない容器に盛られたカリーブルストを小さなフォークで食べるのが主流で、一般的にはフライドポテト一緒に注文して、ポテトカレーソースに付けて食べたりします。

カリーブルストケチャップは一般的なスーパーで買うことができます。あくまでもカリーヴルストはストリートフードなので、家庭で作る人は少ないようです。友人には、自分でスパイスを混ぜてソースを作る人もいますが、パーティーなどで自家製カリーブルストソースをお披露目すると驚かれます。これは、日本でもカレーをスパイスを作る人は少ないのと同じ感覚でしょうか。

謎に包まれたカリーブルストの発祥

カリーブルストはドイツ各地で食べられますが、国内でも特にカリーブルストがよく食べられている地域があります。その例がベルリンです。日本のラーメン激戦区のように、カリーブルストがよく食べられている地域では、ウェブや雑誌でランキング化され、人それぞれどこの店が一番いいかなどいろいろな説があります。

カリーブルストの出どころは不明ですが、ベルリンを発祥地として主張するグループや、ケルン辺りだと主張する人たちも存在します。

90年代にUwe Timmという著者がDie Entdeckung der Currywurstドイツ語)という小説を出版しており、その中では終戦のハンブルグが舞台となっています。

一番有名な説は、1949年にベルリンでグリルソーセージを売っていた店の人が店が暇な時に退屈しのぎにケチャップとスパイスを混ぜたのがはじまりだとするもの。忘れた頃に雑誌やインターネットでカリーヴルストの発祥について取り上げられ、最近ではチェーンスーパーの無料雑誌でそんな記事を目にしました。

ストリートを超えたカリーブルストのインパクト

カリーブルストトレーナー

カリーブルストは、ただのストリートフードではなく、色々なところで食べられるようになってきました。

スーパーでレトルト食品や冷凍食品として買えるようなったり、カリーブルストの歌がリリースされたり、カリーブルストの紙容器のデザインが陶器として一般家庭でも使われるようになったり、カリーブルストマニアにとってはカルト的な存在でもあります。

カリーブルストの白磁容器

カリーブルストの紙容器がお皿に

私とカリーブルスト

ドイツの会社のIT部署でたった一人の外国人+女性として働いしていた時代、同僚と一緒にお昼に行くとなるとカリーブルストが一番人気で、同僚みんなとお昼に行きたいときは「お昼一緒にカリーブルスト食べに行きたい人!」と言うと「いい考えだねー!」といって参加率が一番高かったので、この間一生分のカリーブルストを食しました。

ランチとなると、もちろんカリーブルストだけでは足りないので、みんな大盛のフライドポテトと一緒に注文していましたが、私はカロリーを気にしてパンと一緒に注文していました。カリーブルストの店では、グリルソーセージをパンにはさんだホットドック的なものも売っているため、パンを一緒に注文することもできます。

今でも唯一カリーブルストを食べるのは、ベルリンに行った時と、出店などで「秘伝のレシピ!」のような何か特別な種類を見つけた時だけです。ベルリンのカリーブルストの店の多さにはびっくりしますが、そのソースの種類も辛さを選べたり、ソーセージに「皮なし」のオプションがあったり、ソーセージの種類にも何種類かあったり、毎回何かしらの発見があり新鮮です。

ドイツに来たら、ぜひカリーブルストをお試しください。