ドイツの夏にはアイスが欠かせません。

晴れの日が少ないドイツでは、少しでも日が出たり、暖かい日にはアイス屋さんの前にちょっとした列ができます。少し暑いなと感じたらもう、長い列ができていることは当たり前の光景です。

ドイツのアイスは、安くて、しかも、アイス屋さんの数か多く、そこら中にあります。その数、ベルリンだけでも500件以上と言われており、その数は薬局の数に匹敵するそう。

今回は、ドイツのアイス文化をちょっとしたシリーズとして伝えていきたいと思います。

ドイツのアイスとイタリアのジェラートの深い関係

ドイツのアイス屋さんですが、元はと言えばジェラートで有名なイタリア人がお店を出していて、夏にお店を出して1年分稼ぎ、寒くなったらお店を閉めて年の半分ほどをイタリアで過ごすというようなことが多かったようです。

ドイツとイタリアの物価がそれほど違わなくなってしまったのか今となっては、それほど長く閉まっているアイス店は珍しくなりました。

最近になって、この現象は物価の違いではなく、経営者がドイツ人になっているからだということを知りました。アイス屋さんは、チェーン店のフローズンヨーグルト店などとは違い、家族経営なので、リタイヤはイタリアでするとか、後継者がいない店は、どんどんドイツのオーナーに売られているようです。

寒くなってお店が閉まっていたら、正真正銘のイタリア人の経営するアイス屋さんかもしれませんね笑

ドイツにイタリアからアイスが来たわけ

ドイツにイタリア人が経営するアイスクリーム店が次々とできてきたのは、イタリアからの移民が多かった1950年代だと言われていますが、実はその歴史は1800年代に遡ります。面白いことに、ドイツにできたイタリア人によるアイスショップのほとんどが、イタリア北部のある地域から人たちによって経営されていたそう。

というのも、北イタリアのゾルドコルドーレの炭鉱や鉱山の閉鎖に伴い、地元の人がどうにかお金を稼ごうとジェラートをヨーロッパ各地で売ることを思いついたからだそう。そのため、ドイツのイタリア人経営のアイス店の3分の4がこの地方から来た人たちによるものだというから驚きです。だからヨーロッパ中に、この地域からきたイタリア人が経営するアイス店がたくさん見られます。

今となってはアイスはドイツ人には欠かせない存在です。そして生産量も多く、その量はなんとヨーロッパでもずば抜けており、しかもジェラートの本場イタリアの生産量を上回っています。

ドイツのアイスは安いと言いましたが、スーパーやキオスクの冷凍庫で売っている小売のアイスよりも、アイス屋さんで買った方が新鮮でしかも安いのです。

こんなドイツの生活に欠かせないアイスを、ドイツに来たときは、ぜひ、試してみてください。