ドイツの諺:シェフが恋に落ちたら、スープが・・・Wenn die Suppe versalzen ist…
あなたは日本食を食べたことがないというドイツ人の友達に、味噌汁を作ることにしました。
慣れないドイツのキッチンで味噌汁を作ったら、つい味噌を入れすぎて塩気が強くなっていまいました。友達はそんな味噌汁を一口飲んで、「もしかして、今恋してるの?」と聞いてきます。
恋人募集中で、好きな人もいないのに、どうして友達は、急にそんなことを言ったのでしょう。
Wenn die Suppe versalzen ist,ist der Koch verliebt
その理由は、ドイツには“Wenn die Suppe versalzen ist,ist der Koch verliebt “(スープに塩を入れすぎていたら、そのシェフは恋に落ちている)という諺があるからです。
お菓子に砂糖を入れすぎたと言う方が、ピンときますが、なぜ塩 (der Ssltz) なのでしょう。
語源
この表現の起源は古く、塩は高額だったことまでさかのぼります。
『人は金を避けることはできるけど、塩を避けることはできない』という言葉が残されている程です。
この諺の背景には、シェフが恋に落ちで、好きな人のことしか考えられず、貴重な塩を使いすぎてしまったというシチュエーションがあります。
Ver-
salzenは『塩を加える』という意味の動詞です。ドイツ語って便利ですね。これに、多くの場合ネガティブな印象を与えるver-を付けることで、versalzen(塩を入れすぎる)という動詞になります。
例えば、steckenは英語のstick inのように、『~を入れる』という意味ですが、ここにver-を付けた、versteckenは、『隠す』という意味になります。
この諺の使用圏
この諺は、ドイツに限らず、スペイン語など他の言葉にもあります。洋画を見ていて、これを元にしたシーンやセリフを聞くことがあるかもしれません。
でも、日本ではなかなか伝わらないコンセプト。映画の翻訳家は一体どのように翻訳しているのでしょう。