セックス旅行者の妻?
新しいクラスが始まり、前のクラスからの顔見知りもいないため、新しく友達を作ることにした。
といっても、ちょっと派手なイタリア人のおばさんから、18歳のメキシコから来た男の子まで様々な顔ぶれがあり、身近に感じる人が特にいなかった。
でもクラスにたった一人、私以外のアジア人がいる。彼女はインドネシアから来たらしく、何となく親近感を感じた。クラスが終わってから、教科書を買いに近くの書店へ向かっていると、インドネシア人の女性も一緒に来たいという。
34歳と年もそれほど離れていないため、すぐに「家に遊びにきなよ~」とまで誘ってくれる。ドイツ人と結婚したために、ドイツに引っ越してきたらしい。そういう人たちはクラスに沢山いるため、特に何とも思わなかった。
「旦那さんって何してる人なの?」「何もしてないよ。年金もらってるから、働かなくてもいいんだ」
何歳かは聞かなかったけれど、確実に60歳は過ぎている。
「学校終わってから何してるの?夕飯の支度とか?」「料理できないから、外食するしかなくて。家の事もたまにはしないといけないんだけどね。お手伝いさん、一日に3時間しか雇ってないから」
旦那さんと出会った経歴などは、気になる中聞かなかったけれど、お金目当てで結婚したのかなと思えてならない。恋愛結婚ということも十分にありえるけど、こういう人とはたまに会うことがある。
外国人として生活しているため、他の外国人と知り合う機会がある。そんなとき、急に30以上離れた旦那さんが話に登場して、びっくりしてしまう。しかも、旦那さんは絶対にリッチな場合が多い。
確かに、ドイツのセックス旅行者は有名だけれども、日本でも海外に行ってそういう評判を買わない代わりに、国内でそういうサービスを受けている人が多いと思う。『お金を払ってセックスしたことはありますか』という質問に、対して日本は37パーセント、アムステルダムで有名なオランダでさえ、21.6パーセントとなっている。
さらに、ドイツ人のセックス旅行者と、お金目当ての貧しい国から来た女性を批判する前に、ドイツ人のセックス旅行者も意外に多くなってきているという。ドイツの一般紙Die Weltの記事でも、それが取り上げられ、ビーチリゾートに行って現地の若い男と遊ぶ姿から、Beachboysという言葉がドイツ語に取り入れられるほどである。
話は戻り、ドイツの年上のリッチな男性と結婚した女性たち。こんな女性に共通していることは、年齢よりも見た目が大きく更けていることだ。皺だけではなく、髪も早々に白髪だらけになっていたりする。旦那さんの子供が自分と同じ年ぐらいで嫌な顔をされたり、旦那さんの介護をしなければいけなかったり、苦労も多いのかもしれない。