Das Mäusemelken:ネズミの乳搾り
他の外国語に見当たらない、意味の検討もつかないことわざって時々ありますが、このdas Mäusemelken「ねずみの乳絞り」はまさにそれです。なぜにネズミの乳を絞る?どこからこんな発想が生まれたのか、想像せずにはいられません。
Das Mäusemelkenの意味
Das Mäusemelkenの意味は、不可能な作業のことを表します。確かに言われてみればすぐに納得がいく表現ですね。
Das Mäusemelkenの成り立ち
Die Mausはネズミで、複数形はMäuseです。
ドイツではネズミには悪い意味はなく、英語のハニーの感覚で彼女をMaus(マウス)、子供のことをMäusechen(モイズヒョン、ちいさなネズミちゃん)と呼ぶこともあります。
melkenは、「(〜の)乳を絞る」という動詞ですが、その名詞がdas Melken「乳搾り」です。
Das Mäusemelkenの語源
何故にネズミで何故に乳搾り?と疑問に思うところですが、これは、乳搾りという作業とネズミという動物がどちらも人の生活に身近だったことから生まれた表現だと言われています。でもどうしてネズミで犬や猫ではないかというと、どちらの単語もMで始まるため、リズム感があり歯切れがいいからということです。
Das Mäusemelkenの使い方
これはist zum Mäusemelken というように、zumと合わせて使われます。
Es ist zum Mäusemelken!(それは不可能だよ!)
Das ist doch zum Mäusemelken!(そんなの不可能だ!)
蛇足
ネズミは日本の生活の一部でもあったため、「窮鼠猫を噛むなど」ネズミ関係のことわざは日本語にもたくさんありますが、「意味の検討もつかないことわざ」として風が吹けば桶屋が儲かるがネズミに関連することわざで一番好きです。
ことわざの話になると、日本の諺として紹介したくなるのがこれで、盲目になったら三味線芸人になる、楽器には猫の皮から使われていたという昔の日本の当時の時代背景を説明し、木桶というものの存在なども外国人にはおもしろいトリビアです。国際交流の機会があれば、ぜひ風が吹けば桶屋が儲かるの意味と由来を説明してください。きっと喜ばれるはずです。