花を通してしゃべる – Durch die Blume sagen
Durch die Blume sagenの意味と成り立ち
Durchはドイツ語で、~を通って、~を介してという意味です。Die Blumeは花。つまり直訳すると、花を通して言うということになるわけです。
意訳すると、遠回りに言うということになります。
Sag einfach, was du meinst! Bitte nicht durch die Blume sagen. (何が言いたいのか、言ってよ。遠回りに言わないでくれ。)
Durch die Blume sagenの語源
これを聞くと、花束を突き出し、その陰に隠れて何か不快なニュースを伝える様な場面が浮かびます。でも実際には、花の間を通して話すのではなく、花言葉を使って話すというところから来ています。
18 世紀になると、花言葉は日常的な物からアートとして確立されました。すると、色や花の種類だけではなく、花の状態や花束に含まれる花の数などから、細かい メッセージを伝えることが可能になったのです。しかし、言葉で言わずに、このように花を使って話すのは遠回りのため、このような表現になったと言われてい ます。
教養のある人たちの間では、19世紀までは、ドイツ語ではなくラテン語で、sub rosa(バラの下)という言葉が使われていたそうです。ラテン語で使うこと自体、durch die Blume sagenですね。
ドイツ語で日常的に使われる durch die Blume sprechen
前に日本のテレビで外国から日本に引っ越してきた人たちに『日本語の難しいところはどこですか?』と聞いたところ、『私の服を見て、今日は派手ですねってって言うのが、嫌味なのか褒め言葉なのか分からない』と言っていたのが印象的でした。
ドイツにもこのような、ちょっと分かりにくいけれど、批判しているという言葉がいくつかかります。
Interessant(興味深い、面白い)
この意味の広さから、何か変、変わっている、普通じゃないという時に使うことができます。
“Das schmeckt sehr interessant.”(興味深い味だね)→変な味がする。変わっている。美味しくない。
Würden,wärden(~だったら、~だったとしたら)
これも遠回しに言う時に使われます。
Ich würde gern dir helfen, aber… (力になりたいけどでも・・・) → お力になれません。無理です。
Es wäre schön wenn…(・・・だったらいいんだけどなぁ) → 手を貸してください。~してください。
Es wäre schön, wenn wir eine Lösung finden würden.(解決策を見つけることができればいいのですが) → 解決策はないでしょう。解決するのは無理でしょう。
Durch die Blume 英語では
英語でも沢山ありますが、beat around the bush(草むらを叩く)、sugercoat(砂糖で加工して:オブラートに包んで)などが代表的ではないでしょうか。
そういえば、オブラートに包んでという表現がありましたね。最近はオブラートはまだ使われているのでしょうか。今の若い人ってオブラートを知っているのでしょうか?
ちなみに、粉薬はアメリカやヨーロッパではカプセルに入っているのが当然なので、粉薬を飲んでいると『ドラッグ・・・?』という目で見られます。