冷たいシャワーは不快なので – Warmduscher
ドイツは、日本とのお風呂文化とは違い、シャワーを浴びるのが普通です。もちろん、ほとんどの人が、水よりもお湯を使ってシャワーを浴びます。それでは、der Warmduscher(温かいシャワーを浴びる人)はどんな人を指すのでしょうか?
これは、居心地のいいところばかりを避け、居心地の悪いシチュエーションを避ける人の事を指します。安全な道ばかりを選ぶ人、リスクを避けたがる人などは、典型的なWarmduscherです。
確かに、冷たい水でシャワーをするのは、快適ではないですよね。
使い方
さて、意味が分かったところで、この表現はどのように使われるのでしょうか?
例えば、別れ話など、大事な話をしなければいけない時に、話題を避けて他の事ばかりを話そうとしている人、次の選挙のために、無難な事しかしない政治家、スポーツでディフェンスばかりで、なかなかシュートしない選手などに対して、この表現を使うことができます。
Er ist echter Warmduscher.(彼は本当に不快なことは避ける奴だ。/臆病者だ)
語源
この表現は、昔からあるものではなく、比較的新しい表現です。1998年のワールドカップ中、あるサッカー選手に対して、ドイツのコメディアンHarald Schmidt があるサッカー選手に対して、この言葉を使って非難したことが始まりだと言われています。
これに対して、ドイツのサッカー協会はこのコメディアンに対して、名誉棄損の訴えを起こしました。そしてなんと、サッカー協会の勝訴に終わったそうです。
このコメディアンは『本当の男だったら冷たいシャワーを浴びる』というというところから、この言葉を使ったのでしょうね。
他の似たような表現
この面白い表現に便乗して、他の表現が生まれました。
その中でも、特に面白いのがSockenschläfer(靴下を履いたまま寝る人)、Zebrastreifenbenuzer (横断歩道を使って道を渡る人)などがあります。
そして、私の一番のお気に入りはBeckenrandschwimmer(プールの端際を泳ぐ人)です。
このどれもが、臆病者という意味です。
面白い表現なので、是非使ってみてください。但し、流行語のようなものなので、年配の人などは特に知らない可能性があります。でも若い人なら、この言葉を聞いたことがなくても、すぐにその場で意味を理解して、「面白い表現だね!」と言ってくれることでしょう。